起業にはいくらかかる?開業資金の相場は?準備が必要なこととは?

2023年03月27日

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※こちらの記事は長谷工コミュニティが運営するビステーションのプロモーションを含みます。

新しいビジネスモデルで挑戦したい!起業しよう!となったとき、多くの場合、一番はじめに立ちはだかるのは、お金の壁です。そこで、起業資金として、いくらくらいを準備する必要があるのかを、ご紹介していきたいと思います。

データで見る開業資金の相場は?平均約550万円、中央値1,077万円

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引用:https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kaigyo_221130_1.pdf

開業資金の相場はいくらくらいなのでしょうか?
日本政策金融公庫がまとめている2022年度新規開業実態調査によれば、新規開業者の開業費用の平均値と、中央値は以下のとおりです。


日本政策公庫ウェブサイトより
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kaigyo_221130_1.pdf

・平均値は1,077万円
・中央値は550万円

また、特徴的な点でいうと、特に「250万円未満」の資金で開業する人の割合が増加傾向にあることです。
インターネットやSNS、さまざまなツールの発達により、開業/起業のハードルが下がったことも、この特徴的な現象の要因のひとつかもしれませんし、言い換えれば、かつてよりも、起業にチャレンジしやすい環境となっていると言えるでしょう。

どのようなビジネスモデルでの起業なのかによって、必要な資金は大きく異なる

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次に、起業/開業のために必要な資金を、もう少し分解して考えてみましょう。
なぜならば、どのようなビジネスをするか?で、必要な資金は大きく変わるからです。
資金の要素を大別して考えると、次の5パターンに分解することができます。

➀店舗やオフィス(事務所)などが必要か否か
②仕入れなどが必要か否か
➂1人で起業するのか、複数人で起業するのか
➃法人の設立は必要か否か
⑤その他

➀店舗やオフィス(事務所)などが必要か否か

店舗が必要な場合、店舗の家賃が必要になりますし、内装や外装工事費や、什器や設備などが必用になります。
例えば、飲食店をオープンさせようと思うと、一般的には、1000万円ほどが、必用だと言われています。

また、オフィス(事務所)の要否も、大きなファクターです。家賃それ自体も、お金がかかりますが、事業のために、事務所を借りようと思った場合の保証金は、家賃の半年分から1年分がかかるため、かなりお金が必要となります。
オフィス(事務所)の家賃や保証金を節約しようと思う場合は、シェアオフィス(レンタルオフィス、コワーキングスペース、バーチャルオフィス)などを活用する方法があります。

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②仕入れなどが必要か否か

仕入れが必要なビジネスの場合、仕入れ資金が必要になりますし、仕入れたものが、すぐに売れるとも限りません。一般的に、BtoBのビジネスの場合、決済までの期間が、末締めの翌月末払いになることも多いことから、これに備えることも必要となります。
従って、商材の単価や販売予測数によって、資金を準備する必要があります。一般的には、運転資金全体と考えた場合、3か月~6か月分の資金が必要であると言われています。

➂1人で起業するのか、複数人で起業するのか

1人で起業した場合は、最低、自分の生活費さえなんとかできればいいですが、複数人で起業した場合は違います。他のメンバーの分まで、考える必要があります。
また、社員やアルバイトなどの人材が必要になる場合は、人材の採用コスト、マニュアルの作成コスト、社会保険料なども考えておくと良いでしょう。

➃法人の設立は必要か否か

法人を設立する場合、設立費用、登記費用などが必要になります。
また、決算などもしなければならないため、その費用も考えておかなければなりません。
法人設立の要否は、大きくわけると、toBのビジネスか否か、節税が必要になるかの二軸で検討しておくとよいでしょう。
詳しく後述しますが、BtoBのビジネスの場合、法人でないと取引ができないケースもあるからです。一方、BtoCのビジネスの場合は、節税の必要がない限りは、法人を作らなくてもいいかもしれません。

⑤その他

その他には、さまざまな項目が入ります。
例えば、事業計画などを自分で作成するのか、それとも専門家にアウトソースするのか、マーケティングや営業にはいくらかけるのか?出張などが多いのか、それとも少ないかなど、このあたりは、業種やビジネスモデルによってさまざまであるため、試算する必要があります。
また、併せて、守りの部分も検討しておくと良いでしょう。具体的には、弁護士や税理士、社労士などの専門家費用も検討しておくと良いでしょう。

BtoBビジネスなどで、会社として運営するならば、会社設立登記費用なども必要

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法人を作るメリットは、たくさんありますが、起業時に法人を作る最大のメリットは信用力の担保でしょう。

特に大手企業などは、個人事業主の場合、取引ができないケースも少なくありません。従って、BtoBのビジネスをするならば、法人の設立も検討するとよいでしょう。しかし、法人設立の費用として、少なくとも数十万円は必要になるため、本当に法人化する必要があるか否かはよく検討すべきでしょう。

株式会社設立した際に関する費用の例

・法人設立費用:約25万円前後(含む:登記費用)
・法人税:最低でも年7万円必要(法人住民税の均等割)
・決算費用:(決算申告のみ)15~25万円前後

法人の設立は、自分自身でもできますが、士業などの専門家に相談できると手間なく、安心です。

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起業時の資金だけでなく、運転資金も併せて検討が必要

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起業のためにいくら必要なのか?を考えた場合、起業のためだけに必要な金額を考えるのはよくありません。
起業した後の運転資金まで考えておく必要があります。先ほどもご紹介しましたが、運転資金としては、3か月~6か月分が必要だと言われていますので、この分もきちんと確保しておくとよいでしょう。

一般的に、下記の項目については、考慮して運転資金を算出する必要があります。

・家賃
・人件費
・営業・広告費
・什器備品
・その他、各種費用

家賃

家賃は、必要経費のうちの大きな部分を占めます。また、店舗やオフィスを借りる場合は、内装費/外装費なども併せて算出する必要があります。
また、個人の賃貸の場合の保証金は、月額賃料の1か月分程度ですが、事業者の賃貸の場合の保証金は、家賃の6か月~12か月分となるため、この点も注意が必要です。

最近では、シェアオフィス(レンタルオフィス、コワーキングスペース、バーチャルオフィス)を活用して、家賃を下げて起業にチャレンジする人も増えています。
必要のないところの経費は、ミニマムでチャレンジするというのも、有効な選択肢のひとつといえるでしょう。

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人件費

人件費も、必要経費のうち、大きな部分を占める経費です。
はじめから、人を雇用するケースのほか、まずは業務委託から始めるというケースも最近では増加しています。人材を雇用すると、社会保険料その他福利厚生費、通勤交通費なども発生します。
この点も、自社にあった方法で、人員を確保すると良いでしょう。

営業・広告費

営業・広告費についても、事前によく検討しておきましょう。
営業・広告の方法は多岐にわたりますが、自社の商材は、どのような方法で営業・広告をすると、最も効率よく、集客ができるのか?を考える必要があります。

一般的には、SNS、インターネット広告、チラシ、DM、テレアポなどがありますが、どの方法も、もちろん、費用がかかります。まずは、少しずつ、色々な方法を試してみて、自社に最適な方法を見つける必要があります。

什器備品

什器備品には、色々なものが含まれます。例えば、代表的なものとしてはPCです。PCがなくても仕事になる業種もあると思いますが、多くは、PCが必要になります。
また、店舗などが必要な場合は、その店舗で使う什器などが必要になります。

オフィス用のコピー機、紙、封筒、インターネット関連機器など、どのような什器備品が必要になるか、事前に、よく検討しておくとよいでしょう。

その他、各種費用

その他にも、ビジネスをするために必要なものがなにかをよく検討して必要経費として考えておく必要があります。

例えば、忘れがちなのが、契約書や規約に関する費用です。ネット上にあるもので代用して、そのままということも少なくありませんが、その後、トラブルになったときに、契約書や規約が機能せず、数十万円、数百万円の損害を被ったというケースも少なくありません。
契約書や規約は、できれば、弁護士などに確認して貰っておいた方がよいでしょう。

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資金が足りない場合は、借入、出資、補助金・助成金などによる資金調達の検討も必要

ここまでで、起業にいくらかかるのか?をご説明してきましたが、「あれ?足りない?」と不安に思われた方もいらっしゃるかもしれません。

そのようなときは、資金調達をするという方法も併せて検討しましょう。

資金調達は、大きくわけると、デッド(借入)での調達と、エクイティ(出資)での調達、補助金、助成金での調達の3種類があります。

起業資金のデッド(借入)での調達

起業時の資金調達方法として、最もポピュラーなのは、創業融資や制度融資を受ける方法です。

創業融資は、日本政策金融公庫や、銀行などの金融機関が対応しています。
例えば、日本政策金融公庫には、「新創業融資制度」「新規開業資金」「女性、若者/シニア起業家支援資金」など、起業時に活用できる融資制度が複数ありますので、自社や自分にとって最適なものを選択すると良いでしょう。

創業融資は、自分で事業計画などを作成し、公庫へ持ち込む方法のほか、商工会議所、民間企業、士業へ相談しながら資料を作成し持ち込む方法などがありますが、もしも、資金調達に絶対に失敗したくないと思うのであれば、専門家などに相談する方法を選択すると良いかもしれません。

なぜならば、一度失敗してしまうと、再チャレンジできるまでに、半年程度は時間がかかってしまう可能性が高いからです。

制度融資は、金融機関や自治体と、信用保証協会が連携して行う融資です。制度融資は、信用保証協会が債務保証をすることで、融資が受けやすくなるという特徴があります。

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エクイティ(出資)での調達

エクイティ(出資)での調達とは、投資家からの出資による調達を意味します。自社の株式と交換に出資をしてもらい、上場やバイアウト(会社の売却)した場合に、出資した金額のn倍になった会社の企業価値に対する配当金などを支払うといった契約などによって調達します。

投資をするのは、エンジェル投資家と呼ばれる個人やベンチャーキャピタルと呼ばれる企業などです。エンジェル投資家の多くは、既に自分の事業を成功させていたり、過去に自分自身が上場やバイアウト経験がある人です。

ベンチャーキャピタルは、高い成長が見込まれる未上場企業に対して出資を行う投資会社です。独立系のベンチャーキャピタルのほか、事業会社が自己資金でファンドを組成しているコーポレートベンチャーキャピタルなどがあります。

エクイティで調達するには、ピッチブックと言われる資料を作成し、投資家に対してプレゼンをするのが一般的です。

ピッチブックには、

・解消したい社会的課題、具体的な解消方法(ビジネスモデル)
・マーケットサイズや市場の概要
・競合状況
・経営チーム
・マーケティングプラン
・必要な資金額と資金使途の具体例
・事業計画

などのような要素を記載し、投資家にアポをとりピッチをして回る必要があります。
アポを取って投資家回りをする場合には、そもそも、その投資家が投資をするステージと、自社のステージがあっているのか?(シードステージやアーリーステージに投資をするのか?)チケットサイズ(出資の額)は適正か?自社事業とのシナジーはあるのか?などを確認しておくと良いでしょう。

補助金・助成金での調達

創業時に使える資金調達方法として、最後に紹介するのは補助金や助成金を活用する方法です。原則、返済不要であるケースなどが多いので、上手に使うといいでしょう。

国や地方公共団体が創業をサポートしてくれる制度として、創業補助金などがあります。各自治体などによって名称や内容などは違いますので、詳細は、こちらの中小機構のページの内容をご参照いただくといいでしょう。

参考:中小機構:創業者向け補助金・給付金(都道府県別)ページ

また、一例として、東京都の創業助成金をご紹介いたします。

東京都の場合は、東京都中小企業振興公社が行っている創業助成金という制度があり、概要は以下のとおりです。

金額:助成限度額:300万円(助成対象経費の3分の2以内)
対象:都内創業予定者又は創業して5年未満の中小企業者等
その他:TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援の終了者などの要件を満たすもの
対象経費:創業初期に必要な経費(賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費)

非常に魅力的な助成金ですが、募集は、春と秋の年に2回しかありませんので、事前に準備しておくと良いでしょう。

また、助成金についても、相談にのってくれる士業などの専門家もおりますので、必要があれば、頼ってみるのもひとつの手と言えるでしょう。

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まとめ:起業にはいくらかかるのか?準備が必要なことは?

いかがでしたでしょうか?ご自身のビジネスにいくらくらいの資金を準備すればいいのかといったイメージはつきましたでしょうか?

開業資金の相場は?平均約550万円、中央値1,077万円というデータはありますが、結局のところ、必要な金額は、個別に変わってきますので、できるだけ綿密な事業計画をたて、必要な資金を試算する必要があります。

また、作成した事業計画が、本当に予定どおりに進捗するか否かはわかりません。これは、現在は、有名になった企業も、かつては事業を何度かピボットしていることからも明らかです。このような事情を加味すると、調達する資金は、多めの方が安心です。

この記事を掲載している長谷工コミュニティが運営する、レンタルオフィス、コワーキングオフィス、バーチャルオフィスでは、法人の登記が利用できますので、法人化も安心して行えます。

内見や相談は随時受け付けておりますので、よろしければご活用ください。

この記事の監修者

若尾房市税理士事務所 代表 若尾房市

中小企業の成長促進剤@MBA税理士
税理士、MBA(経営学修士)、GCS認定コーチ

手探り経営に悩む中小企業社長に対して、 管理会計(未来を創造する戦略的会計)とコーチング(欲しい未来を手に入れる思考のサポート)を活用して、ときには視界を照らすヘッドライトとして、ときには視界をクリアにするワイパーとして、社長がその想い実現に向かって最高速度で突っ走るお手伝いをしています。

モットーは「お金が増えなければ節税ではない」
https://www.financial-office.jp/

この記事の執筆者

unite株式会社代表取締役 角田 行紀

起業支援、事業支援や、最適な士業の無償紹介、士業が講師を務める企業研修事業(主に法務・労務・税務・財務)、経営者や士業などが講師を務めるセミナー事業などを行うunite株式会社代表取締役。
多くの起業家からの相談や、士業による起業希望者へのアドバイス、自身の起業経験などを基に本稿を執筆。

https://www.unitenco.com/