【税理士監修】合同会社や株式会社の作り方とは?会社の設立費用は?会社形態はどう選ぶ?

2025年01月28日

※こちらの記事は長谷工コミュニティが運営するビステーションのプロモーションを含みます。

会社を作る場合、どのように作るのか?また、どのような選択肢があり、その費用はどれくらいかかるのかを解説します。 また、併せて、会社の作り方について、よくある質問と、その回答についても、解説しておりますので、合同会社や株式会社を作りたい、また、どの会社形態がいいかについて悩まれている場合は、ぜひ、ご参照ください。

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会社の作り方┃会社とは?会社の形態はどのようなものがある?

会社とは、会社法に基づいて設立された集団を指します。
会社には、いくつかの形態があり、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4種類があります。

起業に際して、知っておくべき、それぞれの会社形態の特徴としては、以下のとおりです。

株式会社

・有限責任
・日本において、最も活用されている会社形態
・設立費用は少し高い(22~24万円前後+専門家費用)
・借入のほか、出資による資金調達も可能

合同会社

・有限責任
・設立費用が安い(7~10万円前後+専門家費用)
・出資による資金調達はできない

合資会社

・無限責任社員と有限責任社員で構成

合名会社

・無限責任社員のみで構成

他にも、それぞれの形態で、特長はありますが、これから起業を考えている場合は、ミニマムで上記の内容を理解できていればいいでしょう。

会社の作り方┃自分がやりたい事業にあった会社形態を選ぶには?

上述のとおり、会社には、4つの形態がありますが、これから起業をするならば、株式会社か合同会社がおススメです。

なぜならば、合資会社と合名会社には無限責任社員が必要だからです。無限責任社員は、会社が負債を負った場合、個人の資産にも影響が及ぶため、比較的リスクの高い会社形態となります。

一方、株式会社と合同会社は、有限責任となるため、他の会社形態よりもリスクが低くなります。

次に、株式会社と合同会社の選び方ですが、基本的には、株式会社がおススメです。最も利用されており、無難であるということが、一番の理由です。

具体的な各会社数の割合は以下のとおりです。

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・株式会社:92.4%
・合同会社:  6.3%
・合資会社:  0.4%
・合名会社:  0.1%

令和4年 会社標本調査結果┃国税庁より

そして、次点として、合同会社がおススメです。合同会社は、比較的、最近増えてきている会社形態です。ただ、それでも、実際に合同会社が選択されているのは全体のわずか6.3%程度です。

株式会社と合同会社の違いは、たくさんありますが、起業家が知っておくべき特徴を比較すると、次のような表になります。

 

株式会社

合同会社

社会的信用度

設立費用

22~24万円前後

専門家費用

7~10万円前後

専門家費用

決算公告

公告義務有り

公告義務なし

経営の自由度

低い

高い

資金調達方法

幅広い資金調達方法

大型の資金調達も可

出資も〇

資金調達方法が限定的

大型の資金調達は難

出資は✕

上場

できる

できない

会社代表者名称

代表取締役

代表社員

株式会社と合同会社で迷った場合には、事業規模を大きくしたいと考えていたり、将来上場したいと考えている場合には、株式会社を選択すると良いでしょう。
一方、そこまで、大きな事業にこだわりがない場合は、費用も安く、経営の自由度も高い、合同会社でいいといえるでしょう。

※合同会社はApple社など、大きな外資系の会社でも採用されていますが、このような会社は、経営の自由度の高さなどから、合同会社形態を採用していると推測されます。

会社の作り方┃個人が、個人事業などを行わずに、会社を作ることはできる?

個人が、会社を設立する際、個人事業主などを経ることなく、会社を設立することができます。

ただし、会社形態によっては、1人では設立できないケースがあり、合資会社については2人以上(無限責任社員と有限責任社員が最低一人づつ必要)が必要となる点には注意が必要です。

逆にいえば、株式会社、合同会社、合名会社は1人でも会社を作ることができます。

会社の作り方┃会社は学生でも作れる?何歳から作ることができる?

会社は学生でも作ることができます。また、実質的に会社を作ることができるのは15歳以上と考えておくと良いでしょう。
会社法上は、会社を作る際の年齢制限は特にありませんので、何歳からでも作ることができます。ただし、会社を作るときに必要となる印鑑証明は、市区町村などへの印鑑登録が必要なりますが、印鑑登録は、15歳以上でないと登録できないことから、実質、15歳以上でないと会社を作ることはできないといえるでしょう

会社の作り方┃株式会社の設立方法・費用・手続き・期間

概ね、次の6つのステップを経ることで、株式会社を設立することができます。

株式会社を設立するための6つのステップ

STEP1:会社の概要などの決定
STEP2:会社実印の作成
STEP3:定款を作成し、公証役場で認証を受ける
STEP4:資本金を払い込む
STEP5:登記申請書類を作成し、法務局へ提出する
STEP6:登記完了後の手続き(税金/社会保険/労働保険)

会社を設立するために必要な期間

会社を設立するために必要な期間は、申請から考えて株式会社はミニマムでも約3週間必要となります。
ただし、これは、スムーズに行った場合ですので、〇月〇日に会社を設立したいといった希望がある場合は、1か月ほど、余裕を見ておくとよいでしょう。

また、ご自身で申請をする場合も、税理士や司法書士などの専門家へ依頼をする場合も、申請の準備期間が必要になりますので、設立日の希望がある場合には、余裕のあるスケジュールを組む必要があります。

株式会社の設立にかかる費用は25万円前後+専門家費用(5~20万円前後)

株式会社を設立する場合、定款認証費用、収入印紙、登記費用/登録免許税などさまざまなものが必要となり、総額で25万円前後の費用が必要となります。

また、設立を専門家に依頼する場合は、その専門家へ支払う費用として5〜20万円ほどを別途考えておく必要があります。

その他、株式会社設立に関する詳しい情報は、以下の別記事でまとめておりますので、ぜひ、参考になさってみてください。

会社の作り方┃合同会社の設立方法・費用・手続き・期間

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合同会社についても、概ね、次の6つのステップを経ることで、設立することができます。

合同会社を設立するための6つのステップ

STEP1:会社の概要などの決定
STEP2:会社実印の作成
STEP3:定款を作成する(公証役場での認証は不要)
STEP4:資本金を払い込む
STEP5:登記申請書類を作成し、法務局へ提出する
STEP6:登記完了後の手続き(税金/社会保険/労働保険)

合同会社の設立にかかる費用は7万円前後+専門家費用(5~20万円前後)

合同会社を設立する場合、定款認証費用、収入印紙、登記費用/登録免許税などさまざまなものが必要となり、総額で7

万円前後の費用が必要となります。

また、設立を専門家に依頼する場合は、その専門家へ支払う費用として5〜20万円ほどを別途考えておく必要があります。

STEP1:会社の概要などの決定

・商号(会社名)を決める
・発起人を決める
・本店所在地を決める
・事業目的を決める
・資本金(出資財産額)の額を決める※
・社員構成を決める
・会計年度を決める

合同会社の会社名についての補足

社名の前か後ろに「合同会社」とつける必要があります。
また、他の会社と紛らわしい会社名だったり、銀行でもないのに、〇〇銀行などのように、見た人を誤認させるような会社名は避ける必要があります。

そのほか、会社名をつける際には、様々なポイントがありますので、以下の記事もご参考にしてみてください。

合同会社の代表者の肩書についての補足

会社の代表者と聞いて、真っ先に思いつくのは「代表取締役」かと思いますが、これは株式会社で使える肩書のため、合同会社では使用できません。そこでよく用いられるのは、「代表社員」という肩書です。
「代表取締役」と記載することはできませんので、注意が必要です。

合同会社の資本金についての補足

資本金に下限はないため、1円でも設立可能です。ただし、信用力等の観点からおススメはしません。旧有限会社の要件300万円程度があると良いでしょう。
また、建設業で、一般建設業許可を取得する場合は、財産要件として、自己資本が500万円以上あることや、500万円以上の資金調達能力があることなどがあることから、資本金を500万円以上にするケースが一般的です。

合同会社の事業目的についての補足

事業目的は、幅広く記載をしておきましょう。
原則として「事業目的」には、その会社が行っている事業の内容が記載されている必要があるからです。従って、すぐには実施しないけれども、将来、実施する可能性がある事業についても記載をしておいた方が良いでしょう。
また、最後に「前各号に付帯関連する一切の事業」と入れておくと柔軟性が増します。

STEP2:会社実印の作成

最近はインターネットでも実印作成が可能です。また近所のハンコ屋さんを探してみてもいいでしょう。

STEP3:定款を作成する

定款(会社を経営していくうえでのルールをまとめた書類)を作成します。
定款を作成する方法は紙媒体で作成する方法と、電子媒体で作成する方法の2つがあります。電子定款なら収入印紙代が不要となりますので、費用を削減することができます。
※株式会社は定款の作成後に公証役場による認証手続きが必要となりますが、合同会社では認証手続きは不要です。

STEP4:資本金を払い込む

なお、この時点では、会社設立登記が完了していないことから、会社の銀行口座はまだ作れませんので、資本金の振込先は、発起人の個人口座となります。
また、会社の登記を申請する際に、払込証明書が必要になるため「通帳の表紙と1ページ目」と「振り込み内容が記載されているページ」をコピーしておきましょう。

STEP5:登記申請書類を作成し、法務局へ提出する

必要な書類を作成し、本店所在地の最寄りの法務局へ提出します。
必要となる書類は、以下のとおりです。

・定款
・印鑑届出書
・代表社員の印鑑登録証明書
・払込証明書
・代表社員、本店所在地及び資本金決定書(定款に記載されていれば不要)
・代表社員就任承諾書
・登記用紙と同一の用紙(CD-Rも可)
・登録免許税納付用台紙
・合同会社設立登記申請書

STEP6:登記完了後の手続き(税金/社会保険/労働保険)

税務署や年金事務所、ハローワークに必要な書類を提出します。

会社の作り方┃会社を作る場合には、どの専門家へ相談すべき?税理士?司法書士?

株式会社の設立を相談できる主な士業の専門家は以下のとおりです。

・税理士
・行政書士
・司法書士
・弁護士

ただし、どの資格の専門家であっても、必ず会社設立業務を行っているわけではないことには注意をする必要があります。例えば、同じ税理士でも会社設立業務を行っている場合もあれば、会社設立業務を行っていないケースもあります。

専門家の選び方の基準は大きくわけると3つあります。
①必要なコスト
②サポートの有無や対応の良さ
③自社の特長を踏まえた会社設立後の接点や頻度

以下に解説します。

①必要なコスト
株式会社設立のための登録免許税などの総額22万円+αの金額に加えて、5万円〜20万円前後の専門家費用が別途必要になります。
この金額は、同じ士業であっても金額に幅があります。(例:同じ税理士でも、金額が違います。)
従って、複数の専門家に、必要な金額を確認した方が無難であると言えるでしょう。

②サポートの有無や対応の良さ
サービス内容も、人や事務所によって違います。統一されたものがありません。
こちらも、どの範囲までサポートしてくれるのかを個別に確認した方が良いでしょう。
また、対応については、言い換えれば、相性問題であり人的要素が強いため、この点も各々に確認すると良いでしょう。

③自社の特徴を踏まえた会社設立後の接点や頻度
株式会社を設立した後、士業との接点のない会社は、ほぼありません。
そこで、会社設立時から、信頼のおける士業とつきあっておくことは経営の観点からも大切です。
また、その後の顧問契約を条件として、会社設立費用の割引などがあるケースもあります。
例えば、経理や決算業務を税理士にアウトソースすることを決めている場合、会社設立も税理士に依頼することで、会社設立費用の割引があるというケースもあります。

また、各士業には、それぞれ特徴がありますので、以下で解説します。

税理士
税務の専門家。毎月の経理業務や決算業務も依頼できます。補助金などのサポートもしている事務所も多く、比較的、株式会社設立のサポートをしている税理士は多いと言えるでしょう。

司法書士
登記の専門家です。株式会社設立時に必ず必要となる法人登記は、司法書士の領域です。
このような背景もあり、多くの司法書士が株式会社設立のサポートをしています。

行政書士
許認可申請など官公庁に提出する書類の作成や相談業務から、権利義務に関する書類の作成や相談業務など幅広い分野をカバーしている専門家です。
人によって、注力している領域が異なるため、株式会社の設立のサポートもしているかは確認した方が良いと言えるでしょう。

弁護士
法律の専門家です。株式会社設立のサポートをしている弁護士もいますが、比較的、株式会社設立のサポート業務に注力している弁護士は少ないと言えます。

 

まとめ┃合同会社や株式会社の作り方とは?会社の設立費用は?会社形態はどう選ぶ?

いかがでしたでしょうか?合同会社や株式会社を作る際の具体的な手順と、ふたつの形態の比較などをご紹介させていただきました。

最もおススメな会社形態は、株式会社ですが、近年、合同会社も増えてきています。
合同会社は、設立コストが低く、経営の自由度が高いことが特徴ですが、出資による資金調達が難しいなどのデメリットもあるため、どちらが最適なのかは、各々の会社形態の特徴と、これから設立する会社で、どのような事業を行うかによって変わってきます。

ご自分で判断、設立するという方法もいいですが、不安がある場合は、士業の先生に、相談・依頼してしまうという方法がおススメです。
どの士業の先生に相談・依頼すればいいかわからない場合は、以下の無料ご紹介フォームをご活用いただければ、無償でご紹介も可能ですので、よろしければ、ご活用ください。

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この記事の執筆者

unite株式会社/株式会社Brand Communication/株式会社Ageless 代表取締役 角田 行紀

起業支援、事業支援や、最適な士業の無償紹介、士業が講師を務める企業研修事業(主に法務・労務・税務・財務)、経営者や士業などが講師を務めるセミナー事業などを行うunite株式会社代表取締役。
多くの起業家からの相談や、士業による起業希望者へのアドバイス、自身の起業経験などを基に本稿を執筆。

https://www.unitenco.com/
https://cqree-holdings.jp/service/

この記事の監修者

若尾房市税理士事務所 代表 若尾房市

中小企業の成長促進剤@MBA税理士
税理士、MBA(経営学修士)、GCS認定コーチ

手探り経営に悩む中小企業社長に対して、 管理会計(未来を創造する戦略的会計)とコーチング(欲しい未来を手に入れる思考のサポート)を活用して、ときには視界を照らすヘッドライトとして、ときには視界をクリアにするワイパーとして、社長がその想い実現に向かって最高速度で突っ走るお手伝いをしています。

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