税理士監修┃起業するには何が必要で、何から始める?男性や女性、主婦、学生などパターン別にも解説

2024年04月26日

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※こちらの記事は長谷工コミュニティが運営するビステーションのプロモーションを含みます。

起業をしたいけど、方法がわからないと考える方は少なくありません。
そこで、この記事では、男性、女性、主婦、学生など異なる背景を持つ人々が起業をする際に、どのような方法があり、どのような準備と計画が必要になるのかを解説します。

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起業するには、なにが必要?

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起業後、成功している人を見て、自分でも何かをやってみたいと思う人もいらっしゃるでしょう。しかし、漠然と考えているだけでは、起業はできません。
どのような事業で、誰に、どのように役に立ちたいか?といったことを考え、計画に落とし込む必要があります。

起業へのステップはおおまかに考えると次のようになります。

1.起業のアイデアを考える
2.アイデアを基にヒアリングを実施する
3.ヒアリング結果を基に、アイデアを検証・修正する
4.ビジネスプランを作成する
5.資金調達をする
6.プランニングに沿って、ビジネスを行う
7.プラン通りに行かなかった点を修正し、再チャレンジ

各々に、もう少し詳細に説明します。

1.起業のアイデアを考える

世の中には、さまざまな事業を行っている人がいますが、ひとつ共通していることがあります。それは、誰かの悩みや課題を解決することで、お金をいただいているということです。

起業といっても、さまざまな形や、規模があります。
個人事業主として経営をしていくというパターンもありますし、副業として事業をはじめるケース、株式上場を目指すということもあるでしょう。

いずれの場合でも、誰かの課題を解決できるものになっているか?を考えることが重要です。

また、その課題を抱えている人は何人くらいいて、いくらお金を払ってもいいと考えるか?といったことも考えておくことが重要です。
この課題を抱えている人の人数と、それぞれの人が支払ってくれる金額は、いうなれば、あなたの事業の潜在市場です。この市場が大きければ大きいほど、事業規模を大きくすることができる可能性が高いものといえるでしょう。

起業のアイデアの出し方には、さまざまなものがあると思いますが、まずは、どのような事業があるのかをよく調査するという方法があります。
ビジネスに関する本などを買って、インスピレーションを湧かせる方法もありますし、上場した企業のビジネスモデルをチェックするという方法もあります。上場した企業であれば、IR情報の中に、自社のビジネスについて解説しているページなどもありますので、参考になると思いますし、上場しているくらいなので、もちろん市場も、きちんとあったということが証明されているといっていいでしょう。

そのうえで、自分ならば、どのような工夫を加えるか?などを考えると、アイデアが出てきやすいと思います。著名な経済学者であるシュンペーターは、「イノベーションとは新たなものの組み合わせである」という趣旨の言葉を残しています。
まずは、先人の知恵、前例を見て学ぶというのが、王道であると言えるでしょう。

ただし、注意をしたいのは、はじめから風呂敷を広げすぎない方がいいということです。
有名なランチェスター戦略でいえば、弱者の戦略です。
できるだけ、局所に絞って展開することを考えましょう。今ではGAFAに数えられるAMAZONですら、当初は、「書籍」に絞って展開し、少しづつ品数を広げていきました。

参考記事:税理士監修┃起業をしたいけどアイデアがない場合の対処法と、具体的なアイデア例

2.アイデアを基にヒアリングを実施する

次に実施いただきたいのは、ヒアリングです。意外と多くの人がやらずに失敗しているポイントは、ここにあったりしますので、ぜひ、実施いただきたいです。
自分が考えたビジネスモデルは、当初、誰しもが最高だと思っています。
しかし、実は、既に誰かがやっていたり、そもそも、ニーズがなかったりするものです。
出会った人に、壁打ち(事業相談)を相談してもいいでしょう。

実際に、ヒアリングや事業相談をすると、さまざまな反応があるハズです。好意的な意見もあれば、否定的な意見もあります。一番はじめに否定的な意見にあたったとしても、確率の問題であるケースもありますので、はじめに、〇人にはヒアリングをすると決めて、ヒアリングをしていくと良いでしょう。
ヒアリングをしていく中で、アイデアも洗練されていきます。

3.ヒアリング結果を基に、アイデアを検証・修正する

次に、得られたヒアリング結果を基に、アイデアをブラッシュアップしていきましょう。
ポジティブなフィードバックをしてくれた人に共通する特長を抽出すれば、どんな人に売れるのか?といった情報を得やすいでしょう。
ネガティブなフィードバックからは、ビジネスモデルの修正点を把握しやすくなります。

4.ビジネスプランを作成する

ビジネスプランという言葉には、さまざまな意味合いがありますが、ここでは、事業計画や事業説明資料の総称という位置づけで、この言葉を使います。

どのような事業で、誰の何を解決し、どう経営していく予定で、お金の動きはどうなるのかといった内容から、想定するお客様の候補は、どこに、どれくらいいて、どのくらいの期間で、どうやってお客様候補にリーチし、どのくらいの売上を立てる目標なのかといった具体的なマーケティングプランなどを、時間軸に沿って、数値化していきます。

具体的には、次のようなことを検討しまとめられると良いでしょう。

・事業内容
・市場(見込みのお客様)が抱える課題
・市場規模
・課題の解決方法
・商品・サービスの詳細
・顧客情報
・競合分析
・マーケティングプラン
・財務計画

これらの資料をまとめるのは、かなり大変な作業ですので、めんどうくさがって、やらない方もいるかもしれませんが、実際にやってみると、自分の計画の穴が、見つかりますので、必ず作成した方がいいと言えるでしょう。
実際にやった後の失敗は、金銭的なダメージも伴います。

また、この資料を作りこんでおくと、資金調達をする際にも、活用することができます。

5.資金調達をする

資金調達は、大きくわけると、デッド(借入)で行う方法と、エクイティ(出資)で行う方法、またケースによっては、補助金や助成金で、調達する方法があります。

それぞれの詳細は、後述しますが、特に、デッド(借入)やエクイティ(出資)での資金調達をする際に、大切なのは、計画です。
先ほど、ご紹介したビジネスプランにあたる情報が必要になりますので、事前によく準備をしておくと良いでしょう。

ただ、最近は、副業としての起業も増えてきています。このようなケースでは、特に資金調達の必要はないケースもあるでしょう。

6.プランニングに沿って、ビジネスを行う

先ほど、ご紹介したビジネスプランに沿って、実際に、営業をしてみましょう。
恐らく、多くの方が、アイデアをお金にしていく難しさを感じるのではないでしょうか。
さまざまな意見をもらうことになるでしょうし、特に、一番はじめは、どこから営業をはじめていけばいいのかという点も難しいケースが多いようです。

ざっくりと、考えるならば、BtoCの事業(営業先が個人になるビジネスモデル)の場合は、知人や友人などに相談する、知人や友人などに紹介を依頼する、交流会などを探し参加するといった方法が多いかと思います。
また、インターネットやSNSで発信をしていく方法もあります。

一方、BtoBの事業(営業先が法人などの事業者になるビジネスモデル)の場合は、営業リストの作成からはじめるケースもあります。
また、BtoBの事業の場合でも、、インターネットやSNSで発信をしていく方法もありえるでしょう。

大切なのは、数をこなすことと、得られたフィードバックを活かし、素早く改善をしていくことです。この改善の質とスピードは、とても重要です。

7.プラン通りに行かなかった点を修正し、再チャレンジ

多くの事業は、最初からは、うまくいかないものです。
VCやCVCから資金調達ができた事業(=投資のプロである第三者から見ても、成功する可能性が高いと判断された事業)であっても方向転換をしているケースが多いのですから、そういうものだと割り切っておくことが大切です。

繰り返しになりますが、大切なのは、数をこなすことと、得られたフィードバックを活かし改善をしていくことです。ぜひ、積極的に、再チャレンジしてみてください。

起業するには、何から始めるべき?

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起業するために必要なことは、上述のとおり、以下の7点があります。

1.起業のアイデアを考える
2.アイデアを基にヒアリングを実施する
3.ヒアリング結果を基に、アイデアを検証・修正する
4.ビジネスプランを作成する
5.資金調達をする
6.プランニングに則り、ビジネスを行う
7.プラン通りに行かなかった点を修正し、再チャレンジ

一方、何から始めるかは、その方の状況によります。
まだ、アイデアがなければ、アイデアを考えることからでしょうし、既にアイデアがあれば、ビジネスモデルをA4一枚の紙にまとめて、アンケートを実施してみてもいいでしょう。

いずれにせよ、7点を網羅していくことが大切です。

起業するには資金が必要。どうやって調達する?

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上述のとおり、起業時の資金調達は、大きくわけると、デッド(借入)で行う方法と、エクイティ(出資を受ける)で行う、またケースによっては、補助金や助成金で、調達する方法があります。

デッド(借入)で行う場合、金融機関や、親族、知人などから借り入れをすることになります。
起業する際にお金を貸してくれる金融機関には、さまざまなところがありますが、代表的なところで言うと、日本政策金融公庫や銀行、信用金庫等がこれらに該当します。
日本政策金融公庫は、代表者の保証なしで、お金を貸してくれるケースがあるようですので、ウェブサイトなどで、制度などを、よく確認しておくとよいでしょう。

エクイティ(出資を受ける)で、調達する場合は、VCやCVC、エンジェル投資家などから出資を受けるという方法があります。VC(ベンチャーキャピタル)は、上場を目指すようなスタートアップに対して出資をしており、会社によっては、シードラウンド(これから事業を行うアイデアフェーズの企業)の企業などへも出資をしているようです。
CVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)は、VCの一種で、企業のグループ会社として設立されています。親会社の事業と事業シナジーがある企業に対して、出資をしているケースが多いですが、フィナンシャルリターン(金銭的リターン)をメインで考えるCVCもあるようです。
エンジェル投資家の多くは、経営者や、元経営者です。自社事業で、上場した際の上場益などを利用して出資をしているケースや、シンプルに自分の事業で得た資金で出資をしているケースもあります。
 
補助金や助成金での資金調達は、地域や状況によって異なりますが、例えば、東京都内での創業の場合、都内で創業を予定されている方や、創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件を満たす方を対象にした創業助成金という制度があります。
似たような制度があるか否かは、インターネットの検索や、お近くの自治体などへの問合せ、地域の士業などに相談してみると良いでしょう。

参考:創業助成金

いずれの場合でも、大切なのは計画です。ビジネスプランを固め、しっかりと準備をしておきましょう。

男性、女性、主婦、学生など、それぞれが起業する場合で多い職種などは?

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画像引用:中小企業白書2022 P31より

どのような事業で起業をしようか迷っている方も少なくないと思いますので、どのような職種で起業をしている人が多いのかを確認していきましょう。

中小企業庁が発表する小規模事業者白書2022によれば、開業率が高い上位5職種は以下のとおりです。

1.宿泊業・飲食サービス業
2.生活関連サービス、娯楽業
3.電気・ガス・熱供給・水道業
4.不動産業、物品賃貸業
5.情報通信業

次に、男性、女性、主婦、学生などのケース別に、起業の特長を確認してみましょう。こちらは統計がないため、感覚的なものにはなりますが、ご紹介していきます。

男性が起業するには?どのような領域で何をする人が多い?

起業する人の割合を男女別に見ると、約75%が男性です。

参考:2022年度新規開業実態調査┃日本政策金融公庫

男性の起業では、さまざまな業種で起業している方がいるというのが、大きな特長といえるかもしれません。

その中で多いのは、これまでに経験した職種の延長線上の職種を選ぶ方です。このような場合は、そのビジネスについての経験値があるため、失敗確率を抑えられるというメリットがあります。注意点としては、前職時代の営業秘密などを侵害してしまわないようにする必要があります。
一方、逆に、脱サラなどをして、未経験の飲食店などを開業するという方も少なくありません。店舗ビジネスは、初期投資が大きくなりがちなため、リスクも伴いますが、人気の高い職種です。

また、若い方を中心にIT分野で起業する方も多いように感じます。例えば、最近では、SNSマーケティングや、生成AIを活用した事業など、比較的新しいマーケットに取組む起業家も多い印象です。

男性が起業する場合の注意点は、家族がいる場合は、家族の理解をきちんと得るという点がポイントになろうかと思います。
また、特に、経験の少ない分野での起業の場合は、初期投資はできるだけ少ない方がよいといえるでしょう。

女性が起業するには?どのような領域で何をする人が多い?

女性が起業する場合でも、これまでに経験した職種の延長線上にある業種で起業をする方はいらっしゃいます。ほかにも、在宅ワーカーとして、お子さんの面倒を見ながら起業する方も、多くいらっしゃる印象です。
また、それ以外では、比較的、美容や健康関連の事業を行う方が多く、男性よりも、好きなことを仕事にしたり、自分の時間を上手に使っている方が多い印象をうけます。

女性が起業をする際に、注意していただきたいのは、事業所の住所の問題です。
例えば、名刺を作った場合に、名刺に自宅住所を記載してしまうと、どうしてもセキュリティ上のリスクがあります。
名刺には住所を書かないといった工夫をすることが考えられますが、どうしても必要な場合には、バーチャルオフィスなどを利用すると良いでしょう。
バーチャルオフィスであれば、安いところならば、月額数千円から利用することができ、安心して住所を記載することができます。

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大学生や高校生などの学生が起業するには?どのような領域で何をする人が多い?

最近は、学生起業家も増えてきました。学生のときに起業するメリットとしては、親からの生活支援があり起業による資金リスクが低い傾向にあることや、早期に色々な経験を積むことができ、社会に出たときのアドバンテージがあることなどがあげられます。
また、若い起業家を応援したいという経営者も少なくありません。

学生起業家で、比較的多いのは次のような職種の方が多い印象です。
まずは、イベント企画系の職種です。学生ならではの人脈形成ができることから、比較的多い印象です。多くの人数を集めることができれば、その中から新しいビジネスに展開していくことも可能です。
また、最近は、企業の人材不足が顕著であることから、学生と企業との人材マッチングを支援する学生起業家も見受けられます。

IT関連に関しては、そもそもITネイティブであることから、なじみやすい職種のひとつかもしれません。プログラミングや、動画編集といった作業系の事業を展開される方や、SNSマーケティングやAI関連事業など、新しいマーケットで勝負をする方もいます。
新しいマーケットでの勝負の場合は、学生と社会人とで、スタート地点に大きな差がないことが特長です。

ハードルとしては、学業との両立が難しくなってしまうケースがあるという点です。この点は、当初からバランスを意識していく必要があるでしょう。

主婦が起業するには?どのような領域で何をする人が多い?

主婦の方が起業をする場合は、比較的在宅ワークが多い印象です。
例えば、ウェブライターや、動画編集などは比較的、取り組みやすい職種と言えるでしょう。ウェブデザインやサイト制作なども在宅でできることから人気です。
また、最近は、スキルシェアができるウェブサービスなどもあることから、ハンドメイド作家や、英会話などの保有するスキルをシェアする事業を行う方などもいらっしゃいます。

注意点としては、主婦の方も、事業所の住所には気を付けていただきたいです。名刺には住所を書かない、バーチャルオフィスなどを利用するといった工夫をすると良いでしょう。

また、税金と健康保険の関係も確認しておいた方がよいでしょう。

税金の面では、ご主人の所得税を確定する際、配偶者控除の対象になる範囲は、主婦が個人事業主として得た事業所得が「年間48万円以下」となるため、どれくらいの所得を得たいのか、48万円を超える事業所得がでてしまった場合には、どうするのかを検討しておく必要があります。

健康保険の「扶養に入れる条件」も併せて考える必要があります。
個人事業として得る年間収入が、ご主人の年収の2分の1未満で、130万円未満の範囲に収まっていない場合、ご主人の健康保険の被扶養者となれません。

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まとめ┃起業にもピッタリな長谷工コミュニティが運営するビステーション

いかがでしたでしょうか?
起業するために必要なことと、ケース別の注意点をご紹介させていただきました。
起業は、簡単ではありませんが、自分らしく働くための大きな武器であるといえます。
ぜひ、チャレンジしてみてください。

この記事の執筆者

unite株式会社代表取締役 角田 行紀

起業支援、事業支援や、最適な士業の無償紹介、士業が講師を務める企業研修事業(主に法務・労務・税務・財務)、経営者や士業などが講師を務めるセミナー事業などを行うunite株式会社代表取締役。
多くの起業家からの相談や、士業による起業希望者へのアドバイス、自身の起業経験などを基に本稿を執筆。

https://www.unitenco.com/
https://cqree-holdings.jp/service/

この記事の監修者

若尾房市税理士事務所 代表 若尾房市

中小企業の成長促進剤@MBA税理士
税理士、MBA(経営学修士)、GCS認定コーチ

手探り経営に悩む中小企業社長に対して、 管理会計(未来を創造する戦略的会計)とコーチング(欲しい未来を手に入れる思考のサポート)を活用して、ときには視界を照らすヘッドライトとして、ときには視界をクリアにするワイパーとして、社長がその想い実現に向かって最高速度で突っ走るお手伝いをしています。

モットーは「お金が増えなければ節税ではない」
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