起業家に向く会社形態は、株式会社?合同会社?合名会社?合資会社?それぞれの違いは?

2023年03月27日

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※こちらの記事は長谷工コミュニティが運営するビステーションのプロモーションを含みます。

起業する際や、起業後、事業が軌道にのってきたときに悩むのが、会社形態です。
個人事業主が良いのか、会社形態がいいのか、会社形態にするならば、どの形態が良いのか?と大いに悩んでしまうでしょう。
そこで、この記事では、それぞれの形態の特徴やメリットを比較して、ご紹介します。

起業時の事業/会社形態はなにがよいのか?(個人事業主、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社)

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起業とひとくちにいっても、状況は、起業する方によって、大きく変わります。

例えば、

・なにもないところからの起業するケース
・本業が別にあり、副業として起業するケース
・既に、個人事業として実績があるなかで起業するケース

などが考えられます。

また、それぞれの売上状況によっても、判断の軸は、変わってきます。
そこで、次の➀~➂の視点で切り分けて考えると良いでしょう。

➀起業後の取引先は、個人が多いか?法人が多いか?

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まず、起業時の法人化について考える場合は、大きくわけて、

・toC(個人向け)のビジネスをするのか、
・toB(法人向け)のビジネスをするのか?

で分けて考えるといいでしょう。

例えば、ラーメン屋さんや、ネイルサロンなど、個人向けの店舗ビジネスをする場合、その事業者が法人であるかどうかを気にする人はあまりいません。それよりも、味や、できあがりの質などの方が気になります。
一方で、法人の場合は、やや異なります。法人との取引は、継続した関係性を前提としたビジネスになることが多く、法人の中には、株式会社などの会社形態でなければ、ビジネス上の取引をできないと言われてしまうケースもあります。

この違いは、なんなのか?端的にいうと「信用力」です。個人事業主よりも、法人の方が社会的な信用力が高いのです。従って、起業する際に、ご自身が行うビジネスの取引先が誰になるのか?によって、個人事業主でスタートするのか?法人としてスタートするのかを検討すると良いでしょう。

 

②(現実的な)売上は、どの程度見込めるか?

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法人化するか否かを検討する際の2つ目の検討材料は、見込売上の大きさです。
法人化をするメリットのひとつとして、節税の余地が拡がるという効果があります。
一方で、そもそも売上があがっていなければ、節税の必要性はありません。

そこで、起業したと仮定した後、年間でいくらの売上があがるのか?を計算してみるとよいでしょう。リアルな数字として、その金額が、年間で1000万円程度※を超えるならば、法人化を検討してもいいでしょう。
一方で、1000万円※に満たない場合で、信用力を考える必要がないならば、法人化まではしなくてもいいかもしれません。

※売上ベースでの目安は売上1000万円ですが、厳密には、課税所得ベースで考えた方が良いでしょう。たとえば、売上が800万だとしても人件費などで赤字だとしたら法人化することで逆に税金が高くなる可能性があるからです。逆に考えると、売上500万円でも経費がほぼなく所得が400万以上出る見込みの場合、法人化した方が節税効果が高くなる可能性もあります。
従って、売上の目安は1000万円だが、課税所得ベースで判断すべきと覚えておくとよいでしょう。

➂手元資金の有無と多寡

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法人化することで、信用力は高まりますので、ある程度売上が見込める場合などは、基本的には、法人化した方がいいでしょう。
ただし、法人化には、いろいろなお金がかかります。

例えば、法人にかかる一般的な費用(株式会社を想定)としては、次のようなものがあります。

・法人設立費用:約25万円前後(含む:登記費用)
・法人税:最低でも年7万円必要(法人住民税の均等割)
・決算費用:(決算申告のみ)15~25万円前後

※個人事業として開業し5年未満で、特定創業支援等事業の支援を受けた場合は、登録免許税15万円が半額になる制度などもありますので、起業を考えている場合、調べてみたり、専門家に相談してみると良いでしょう。

起業時ということを考えると、手元資金から数十万円がなくなってしまうというのは、大きな出費になります。従って、余裕がない場合は、当面、個人事業として運営していった方がいいでしょう。

➀、②、➂を踏まえ、法人化するか否かを、まずは検討するのがいいでしょう。

それぞれの会社形態の特徴は?(個人事業主、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社)

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次に、それぞれの特徴を比較して考えてみましょう。

起業家が知っておきたい個人事業主の特徴

個人事業主とは、その名のとおり、個人で事業をしている状態を指します。個人でのビジネスであるため、気軽にはじめられる半面、取引先には、気軽に辞められてしまうのではないか?と見られてしまう恐れがあります。

また、ビジネスがある程度大きくなった場合、税金面などから法人化した方が有利であるため、まだ、ビジネスのスケールが小さいと判断されてしまうという点もあります。

起業家が知っておきたい株式会社の特徴

日本において、最も活用されているのが株式会社です。日本を代表する企業も、ほとんどが株式会社という形態をとっており、起業後や、起業後の法人化のタイミングなどでも、最も人気なのは、株式会社です。一般的な事業であっても、数年後に上場を目指すスタートアップであっても、株式会社形態が一番多い形態です。

一番、無難な会社形態であり、おススメできる会社形態です。

起業家が知っておきたい合同会社の特徴

最近増えてきているのが、合同会社という形態です。合同会社は、アメリカのLimited Liability Companyを参考に作られていると言われています。日本国内の有名な合同会社でいえば、アップル社などが合同会社です。

合同会社は、有限責任であるため、株式会社と同様のメリットがあります。また、設立などの手続きが比較的簡単で、設立コストも比較的安いことから、最近、合同会社を選ぶ方も増えている印象です。また、節税効果や、運営面でみても手軽という特徴があります。

一方で、デメリットもあります。株式会社のように自社の株を活用して、資金調達することができず、上場するということもできません。
また、合同会社への出資者は「社員」となり、経営権を持つことになりますので、複数人の出資者(社員)がいる場合、経営のボードメンバー内で意見が食い違ったときなどに苦労があります。
さらに、銀行などから、借入をする場合、与信面においても現状では株式会社よりも劣るというデメリットがございます。

従って、会社を上場させたいと思うのならば、合同会社は辞めておいた方がいいでしょう。(追って、株式会社に変更すること自体は法的には可能です。)基盤のできていない起業時に合同会社を選ぶメリットは、費用面でのメリットが大きいと言えるでしょう。

起業家が知っておきたい合資会社の特徴

合資会社は、無限責任社員と、有限責任社員の最低でも2名が必要な会社形態です。設立費用が安かったり、資本金が不要だったりすることが合資会社を選択するメリットです。しかし、一方で、無限責任であるため、負債を負った場合、個人の資産にも影響が及ぶため、比較的リスクの高い会社形態であると言えます。

起業時に合資会社を選択する方は、少ないと言えるでしょう。

起業家が知っておきたい合名会社の特徴

合名会社は、無限責任のみで構成される会社形態を指します。
イメージ的には、個人事業の事業主が複数人で、事業を行うイメージが近いと言えます。無限責任であるという点や、金銭の出資が不要であることなど、合資会社にも近い会社形態ですが、合名会社が、無限責任社員のみで運営される一方、合資会社は、無限責任社員と、資本金を提供する有限責任社員に分かれる点が大きな違いです。

しかし、いずれにしても、ご説明したとおり、無限責任となりますので、会社が倒産したり、負債を負った場合に、個人でも全ての責任を負うことになりますので、リスクの大きい起業時には、あまり良い選択とはならないケースが多いでしょう。

ところで、有限会社って?

ここまでで、まだご紹介していない会社形態があります。それが有限会社です。
実は、数十年前までは、有限会社と株式会社が基本的な会社形態でした。
その大きな違いは、資本金の額です。

有限会社は300万円以上
株式会社は1000万円以上

の資本金が必要であるとされていました。しかし、現在は、有限会社は新設できず、株式会社の最低資本金基準は撤廃されています。
いまでも、有限会社の方とお会いすることもあると思います。有限会社は、2006年以降、新設はできないことから、有限会社の方は、一定程度社歴が長い企業であると言えるでしょう。

まとめ:起業家に向く、おすすめの会社形態は?

まずは、上記の「➀起業後の取引先は、個人が多いか?法人が多いか?」「②(現実的な)売上(課税所得)は、どの程度見込めるか?」「➂手元資金の有無と多寡」によって、判断が必要でしょう。

取引先は、個人が多く、売上(課税所得)が多くなければ、信用問題や節税のことを考える必要性は少ないので、個人事業主でいいでしょう。
一方、なんらかの会社形態を選ぶのであれば、「株式会社」が最もおススメです。理由はシンプルで、最も多くの企業が採用している企業形態だからです。

ただし、合同会社にも、設立費用や運営面などで多くのメリットがあるため、合同会社も比較的、おススメできる会社形態です。

ここまで、事業形態と会社形態について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
理解ができたところで、次に必要なものは、その実現のための手段です。

この記事を掲載している長谷工コミュニティが運営する、レンタルオフィス、コワーキングオフィス、バーチャルオフィスビステーションでは、法人の登記が利用できますので、法人化も安心して行えます。

内見や相談は随時受け付けておりますので、よろしければご活用ください。

この記事の監修者

はやし税理士事務所/株式会社Lapin
代表税理士/代表取締役 林 研太(はやし けんた)

1988年東京都町田市生まれ。2022年税理士登録

中規模税理士法人に新卒入社した後、Big4税理士法人にて、上場企業のM&Aに関するコンサルティングをメイン業務とする部署で税務デューデリジェンス、組織再編スキーム、清算スキーム、超大手企業の経理効率業務に関するプロジェクトメンバーを経験。 その後、中規模税理士法人にてマネージャーとしてマネジメント業務のみならず、税務顧問や、組織再編アドバイスなどの専門税務、事業計画策定や予算実績比較等を用いた未来会計による財務に関する業務、起業支援など、多くの個人と中小企業支援の経験を経て、2023年4月に独立開業している。

この記事の執筆者

unite株式会社代表取締役 角田 行紀

起業支援、事業支援や、最適な士業の無償紹介、士業が講師を務める企業研修事業(主に法務・労務・税務・財務)、経営者や士業などが講師を務めるセミナー事業などを行うunite株式会社代表取締役。
多くの起業家からの相談や、士業による起業希望者へのアドバイス、自身の起業経験などを基に本稿を執筆。

https://www.unitenco.com/